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Swing life 

家族。

どんな形でアレ必ず居ると思います。

自らが結婚し家族が居る人。
両親やその他家族と一緒に住んでいる人。
もしくは、特別な事情で違う家族構成の人。

完全に一人、というひとは本当にまれなんじゃないでしょうか。

なんだかタブー視されていますが、複雑な家庭環境の人だっていますよね。
両親が居ないとか、孤児だった、とか。

幸いなことに僕には血のつながった家族が居ます。
父は僕が幼い時に病気で死んでいますが母はもちろんいます。

そんな家族のお話。





僕は父の顔を知らない。


正確には物心つく前に死んだので顔を写真でしか見たことが無い。

本当は親戚や母の家族の手助けがあったんだろうが
僕の記憶の中では今までずっと母に一人で育てられた。

父が死んだとき、まだ30代前半だった母も本当なら再婚なりしても良いはずなのに
「お前のお父さんはあの人しかいない。」
と、かたくなに再婚を拒んだ。

まだ、幼かった僕は母に残酷な質問をある日投げかけてしまう。

「どうして、僕にはお父さんがいないの?」

すると母は申し訳なさそうに
「居ないんじゃない。居るんだけどこの世に居ないだけ。ちゃんと見守ってくれてるよ。」

と答えたのを覚えている。

僕は「お父さんは写真で見たあの人なんだ。」と思った。


僕の母は父が死んだせいなのか分からないが心が強い人ではなかった。
僕に当たることはなかったといえど、ふとした瞬間につらそうな表情を見せた。

例えば「電球が切れた」「虫が出た」「外で物音がした」。
そんな些細な出来事でパニックに陥った。
普通なら「父」という存在がやってくれる作業だ。

そんな母を見ていれず
「僕がやるよ!」
と小さい僕は言ったらしい。

「お前はお父さんに本当に似てるな。」
小さい僕を父に重ね、母は言った。




ある日。少し成長した僕に母は言った。
「何か欲しいモンはないのか?」

来週迎える僕の15の誕生日に備えそう聞いた。

「別にないよ。あえて言うならケーキと鶏の焼いたやつが食べたい。」

母がよく作ってくれた鶏肉を焼いた料理が好きだった。

「そうか、母さん作ってやるからな。」

嬉しそうに母は答えた。



誕生日の当日

その日の食卓にはケーキと鶏が並んでいた。

食べ終わった後に、片付けもしないで母は別の部屋に行った。


すると何か大きい荷物を持って現れた。

「ゆんくんな、音楽好きだろ。こういうの興味あるかなと思って買ってみた。」


僕は戸惑いながら開けて見るとあったのは青色のギターだった。

「学校の部活で弾いてるんだろ。母さん、イマイチ分からないけどお前ならできるだろ。」

僕は本当に嬉しかった。
父を失った母の手前、泣くことがなかった僕は久しぶりに泣いたと思う。



毎日毎日練習した。

「ゆんくん、うまくなったね。」

何も分からないくせに、母は僕にそういったんだ。

そんなある日、異変が起きた。

「あれ・・?」

母からもらったギターから音が出なくなった。
たしかに安物のメーカーだし初心者の僕が使っていたものだ。いつ壊れてもおかしくなかった。
しかし、僕は母には言えずそのまま黙っていた。


さらに成長した僕は働き始め、さらに音楽に力を入れた。
素人ながらライブハウスを借りてライブをしたりもした。ギターの数もどんどん増えていった。
母がくれたギターは初心者用のメーカーだっただけライブでは使わなかったけれど大事に家においておいた。



「ゆんくん、すごいね。母さんも見たいけどそういうところは行ったことないから苦手でさ。」
「母さんがライブハウスなんて来たら倒れちゃうよww」
「だろうね(笑)いってらっしゃい、気をつけなさいよ。」



「ただいまー。」
「あら、お帰り。どうだった?」
「うん、なかなか良かったよ。友達も出来たし。」
「そうか、良かったねー。」

そんな何気ない会話が毎日交わされた。



ある日、あいつがウチを尋ねた。


ジュン「おう、遅いよ。迎えに来たぜ。」
ゆん「ちょっと待って、準備するから。上がって待っててよ。」
ジュン「おっす。あ、どうも初めまして!」
母「あら、初めまして。ちょっと待ってね、飲むもの用意するから。」
ゆん「ああ、いいよ。すぐ行くし。」
母「そう?楽にしててね。」
ジュン「どうもー。」

楽器をやっているヤツっていうのは人の家に行くとなぜか楽器を弾きだす習性がある。
とうぜん、あいつにもあった訳で。

ジュン「なんだこれ。」
ゆん「どした?あ!」
ジュン「音でないじゃん。」
ゆん「あ、そうだね。」
ジュン「ふーん、つまんないの。」

と例のギターを抱え言った。

ゆん「ほら、行くぞ。」
ジュン「あいよ。」

僕たちは出かけていった。



ゆん「ただいまー。」
母「お帰り、どこ行ってたの?」
ゆん「ジュンと買い物かな。」
母「そっか。」


母「ねぇ。」
ゆん「ん?なに?」
母「それ壊れてるのかい?」
ゆん「え?ああ。。」


ジュンが言ったことを何気に聞いていたらしい。

母「だからコンサートで使えないのか。」
ゆん「まあ、そういうわけでもないけどさ。」
母「だから新しいの買ったの?」
ゆん「違うよ、それなりのクラスってものがあって・・」

まあ、分からない人に説明は難しいけど楽器にはいろいろクラスがあって、
確かに母のギターはライブ等では少し恥ずかしいものだったし、音も出ない。
しかし、母には「気に入らないから使わない」とでもとらえられてしまったのだろうか。

母「そっか、壊れてるんだ。言ってくれれば新しいの買ってやったのに。」
ゆん「いいんだよ。」

すこし寂しそうな母を横目に僕は自分の部屋に戻った。





またある日、僕にメールが届いた。

「ジュンくんがうちで待ってるよ。」


僕は「あんにゃろう、また余計なこと言わなきゃいいが・・!」と急いで家に戻った。


ゆん「ただいま!ジュンは?」
母「すごいね、ジュンくんは。」
ゆん「え?何??」
母「お前の部屋に居るよ。」


僕は急いで部屋に向かうと

ジュン「遅いよ。」
ゆん「なにしてんの?」
ジュン「じゃあ、帰るね。バイバイ。」
ゆん「え?何しにきたの??」
ジュン「オレは忙しいのだ。」

というと
ジュン「じゃあね!お母さん!おやつありがと!」
母「またおいでー。」
ジュン「はーい!」
と帰ってしまった。


ゆん「あ、これ。」

ごっちゃごちゃに荒らされた僕の机の上に例のギターが置いてあった。

母「見た?」
ゆん「なにが?」
母「あの子、それ治してくれたよ。」
ゆん「え?」
母「治しに来てくれたんだ。母さんに”これでまた弾けるからね。あいつがいらないって言ったらオレにちょうだい”って言ってたよ。」
ゆん「治したの?コレを?」



ゆん「こんなメーカー、治すより買ったほうが安いだろ。。」

僕は数年ぶりにこのギターを弾いた。

母は嬉しそうに僕の部屋から出て行った。






以前募集した「書いて欲しい記事」のコメントより
「ジュンちゃんのことを「こいつ最高だな!」って思った話しと、「こいつマジ最低だな…」って思った話」から。

次回は「最低のほう」を書きます。







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何この美談。普通に泣いてしまいましたわ。

なんだか故人との思い出話みたいにしんみりしたよ
ジュンさん元気ですか?

全俺が泣いた。

ゆんくんこんにちは!

すっごいすっごい良いお話でした(;△;)涙
粋だねー、ジュンくん!

涙でちゃいました( ; ; )

いいお話…(ノω・、)
やっぱりジュンさんいい人!

次の記事が楽しみですw

最高の話です!!

ゆんさんの文体好きです!
素敵なエピソードだなあ。

ジュンさん…サラーッとそうゆう事出来る所が凄いですよね(m'□'m)
良い話(ノ_・。)

良い話。。
ほっこりして、ちょっぴり泣けました。

ゆんくんありがとう(*^^)

ちょっぴり涙です!

泣いちゃいました。

でも持ち上げといて落とすんだよねw

うわっ萌えっ
うわっうわっうわっ
興奮しました←

(○´∀`○)

ほっこりしました。寒い夜に暖かくなりましたよ!

ほんま ええ話!

真逆がよけいに気になるwww

ええ話しやなぁ。゚(゚´Д`゚)゚。

リクエストありがとうでしたww

次回で、どう叩き落としてくれるのか楽しみですw
そのギターをライブで暴れて折った、とかww

泣いた!!

お母さん大事にしてあげて下さい。

ちょ…バカ月でこんなイイ話しに出会うとは(;_;)

ジュンさんが出てきたところで、きっと直してくれるだろうと思ったけど…。
やっぱり。(笑)
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