人柳と月。 その二

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その一

登場人物

私 柳の神社の近くに住む青年
K 神社の前に住む私の友人
Kの祖母 マンション建設を激しく反対している



K「悪いな、嫌な思いさせちゃって。おごるよ。」

Kはそういいながら財布を取り出した。

私はKに連れられ、近所の喫茶店に来ていた。


僕「あのさ、住めなくなるってどういうこと?」

私は聞きづらかったものの、どうしても気になったのでKにそう聞いた。


K「あー、気にしないでくれよ。ほらウチ神社じゃん?なんかそういうの気にすんだよ。」
僕「お前の家、神社だったの?」
K「あれ、知らなかった?っていっても俺は継がないよ。兄貴が継ぐしさ。」
僕「そうなんだね。」

意外な事実を聞いた後、ふとあの日の祭りの事を思い出した。

思い出したのはあのオッサンの言葉。

「今日だけは、怖がらずに月見できるからよ。今日の月は見事なもんだぜ。」


気になった私は、思い切って聞いてみた。






なにか、曰くつきではないのか?







Kは少し嫌そうな顔をした後に口を開いた。


K「俺さ、そういう類の話嫌いでよ。一切信じてないんだけどさ。」










私「なるほどね。」

あの柳には月のでない日に女の霊がでる。
よくある話だ。


K「怪談のテンプレみたいな話だろ。」
僕「そうだね。」
K「いい大人が大真面目な顔して言うんだぜ。恥ずかしいったらないぜ。」
僕「まあねー。でも雰囲気ある神社だからね。仕方ないんじゃない。」
K「しかもばーちゃんもそうだけど、神主の俺の親父も兄貴も見たことないっていうんだぜ。」
K「それどころか、神社の過去の資料を見てもそんな霊なんて出たなんてないし、もちろん昔に地元の住民に言われて見に行ったらしいのよ。俺の先祖の誰かが。でも一切妙なことなんてなかった。意味わからん的な事書いてあったらしいよ。」
僕「へー。」
K「だからよ、あの神社はインチキだ。って昔村八分にされた事があるんだってよ。」
僕「そうなんだ。それで・・」
K「この話は嫌いなんだよ。俺も兄貴も親父もな。」
僕「わりぃ、嫌なこと聞いちゃったな。」
K「気にすんなよwwウチのことも霊のこともな。」









「へー。ここがねー。確かに雰囲気あるわ。」

柳を見上げながらその男が言った。

僕「お前に話したのが間違いだったよ。」


その男はJと言う。物好きなヤツで心霊スポットに言っては悪ふざけ。しかも知的好奇心の塊だ。行動力も半端じゃない。

J「柳に池に・・・。夜はダメ。月の出ない日は来てはダメ。ここは本物だぞ。」
僕「お前、霊感とかあったっけ?」
J「いや、一切ない。」
僕「なんで本物だって分かるんだよ。」
J「言いたかっただけだよ。でもな、ほれ見てみろ。」
僕「なんだよ、それ。で、なに?」
J「あの枝。成長してるから高いとこにあるけど、縄を結ぶには最適だな。首をくくる為のな。」
僕「おい、やめろよ・・。」
J「しかもちょうど良い踏み台になりそうな岩がある。」
僕「おい、よせって。」

Jは岩の上に立ち首に縄をくくる動作をした。

僕「お前、よくそんなことできるな。」
J「気になるねぇ、その噂ってヤツが。」


僕は激しく後悔した。
そう、Jがこう言い出したからだ。




J「新月の日。来てみようぜ。」


こうなればこいつは止められない。
相当嫌だったが無理やり連れてこられることになった。
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