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部屋とYシャツとたわし

男性にとってはとてもなじみの深い衣服、Yシャツ。
学校でも仕事でも、大体制服と言えばYシャツが基本です。
真っ白な清潔感のあるシャツは着ているだけでさわやかな印象を演出できます。

もちろん、僕も普段はYシャツを着て仕事しています。普段はダルっとタンスの一番手前にあるTシャツを着ているだけの僕もYシャツを着るとどこかキリッとするってもんです。



その昔、高校生の時に友人が
「コトが終わった後に彼女が俺のYシャツ一枚で寝てるとマジ興奮だぜー!」と盛り上がっていたことがありまして。
その当時は盛りのついた猿が。妊娠してしまえ。と心の底から思っていたのですが、
ここ最近、寝室に何気なく干してある僕もYシャツを眺めながら、いわば男性のシンボルであるYシャツ、しかも白く透けて見えそうな薄さ、そして大きめのサイズだがそれ一枚では当然全身を隠すには少し小さい。
こういったものが合わさると、それはそれでまた一興か、と寝てる妻を見ればオレのMAYHEMのTシャツを着て寝ていたのでそっと僕は目を閉じたのでした。(※参考MAYHEM


とにかく、男性にとって非常になじみの深いYシャツ。普段の生活で着ている時間は長いのです。
しかし、その白さゆえに気を使う場面もあります。
男性のほぼ全員が経験したことあると思いますが、それは食事の時に経験します。

それが、「食べ物をはねてしまう。」という失敗です。

当然、真っ白なYシャツですから食べ物をはねてしまってはかなり目立ちます。
特にカレーうどんなどYシャツを着ている時に食べるときなどは、それはもう不発弾でも扱っているかのように食事をしなくてはなりません。
かといって上半身裸でカレーうどん食べるわけにもいかず、シャツにカレーのシミを付けてしまい母親や妻に怒られた経験もしたことある人もいるのではないでしょうか。




ほとんどの男性が初めてYシャツを着るのが中学だと思います。
私服で通っていた小学校と比べ、キリっとYシャツを着た中学校。どこか大人に近づいたような気がしました。
そんな中学時代、当然僕もYシャツを着て学校にアホみたいに通ってました。

ある日、その僕の少し大き目のYシャツを後ろから引っ張られました。
そこにいたのは小さな女の子。
「ちょっと・・良いかな?」
彼女はうつむきながらそう言いました。

僕はえ?なに?これってもしかして・・・と、当然そんな経験なかったのでパニックになりました。
それも当然、ほんの数か月前までランドセル背負って、校庭で岩井君に「テポドン!ドカーン!」とか言いながらボールをぶつけて遊んでたんですから。

突然訪れた青春に嬉しさ半分困惑半分で女の子について行くと、どうやらその子は美術部らしく美術室まで連れて行かれました。

「あの・・・。」
彼女が口を開きます。

僕は、
どうしよう。オッケーする?でも中学生だぜ?早くない?あー、どうしよう。ちょっと考えさせてって言おうか。いや、それは女々しい。男ならはっきり言うべきだ。でもどっち?イエス?ノー?分からない。やっぱり、ちょっと考えさせてもらおうか。いや、ダメだ。それだけはダメだ。よし、はっきり言おう!

そんなことを頭の中で考えてると、彼女はこういいました。


「あずき洗いがでるんです。」


「ちょっと考えさせて。」
僕の答えはこうでした。




もともとパニックだった僕は一瞬で冷静に・・なるわけでもなく更に深い混乱へと入って行きました。


なんだか良く分かりませんが、詳しく話を聞いてみると
夕方になり、帰る支度をしていたら美術室の隣にある「準備室」から
しゃーりしゃーりしゃーりしゃーりと音が聞こえ、恐る恐る見てみると上半身裸のあずき洗いが屈みこんであずきを洗っていた。
らしい。


「んなアホな。」
僕がそう言うと彼女は目に涙を浮かべ
「本当なの!妙に小さかったし服着てなかったし、暗い中しゃりしゃりあずき洗ってて。それも一心不乱に洗ってたんだから・・・。」

彼女は僕のYシャツに両手でしがみつきながら小さく震えてます。



本当・・・なのか?

彼女のあまりの怯えように僕もそう思わざるを得ませんでした。



そして、詳しく話を聞くと、あの「準備室」には彼女の絵が置いてあり、それは大切なコンクールの作品らしい
もうすぐ締め切りなのだが、怖くてあの部屋に入る事ができない。このままでは間に合わないので僕に妖怪退治を頼んだらしい。


そもそも中学生の僕に妖怪退治の経験なんてありません。いや、もちろん10年以上たった今ですらありませんから何をすればいいのか、全くさっぱり見当もつかない。
大体なぜ、あまり面識のない僕に妖怪退治を頼んだのか分かりません。


さすがのインターネットも、あずき洗いの退治の仕方なんて書いてある所もありませんし、本を調べたりもしましたがそんなものはない。

唯一過去に退治に成功した人物を見つけることができました。鬼太郎です。ゲゲゲの鬼太郎です。髪の毛針で見事退治したようです。


と、なると今度は髪の毛針の修得が必要になってくるのですが、これがまたインターネットみても本を読んでも分かりませんでした。




どうやら八方塞がりなよう。

どうしようかな、と考えているうちにとある疑問が生まれてきました。



本当にそれはあずき洗いなのか?


たしかに彼女の証言はあずき洗いのそれと酷似しています。
しかしですね、冷静に考えてみてそんなことあり得ません。

もしかしたらただの不審者なんではないか、と。


そうなるとあずき洗いより大事です。

これは、一生徒の僕には手に終えない。
先生だ、先生に言おう!


僕はそう決め職員室に走ります。



職員室のドアを開け、僕は先生に言おうとしたら


「お前か、ちょうど良いとこに来た!ちょっと来い!」

と奥に連れられ


「岩井が毎日シャツをびしゃびしゃにして帰ってくるって親御さんから電話があった!どうせお前がまたやってるんだろう!」

と、言われました。


「オレじゃないよ!それどころじゃないんだよ!」
と当然反論しましたが、

「他の生徒がお前が岩井にカナブン着けたりしてるのを見たってみんな言ってるんだ。」


確かにカナブン着けたりしたことはありました。でも水かけるなど陰険なことはいたしません。


「僕じゃないよ!だいたい、僕と岩井は友達だよ!」
「岩井はそう思ってないかもしれないだろ!」


今には珍しい熱心な先生です。


こってり絞られ、職員室を追い出されました。
あずき洗いの事なんて言う隙もなかった。


すっかり日も暮れ、部活動の人達も帰り始めた頃、ショボくれた僕はもうあずき洗いとかいいや、帰ろうと思い下駄箱へ向かうと


しゃーりしゃーりしゃーりしゃーり…


うん?


しゃーりしゃーりしゃーりしゃーり…



聞こえる。
確かに聞こえる。


振り返ればそこは「準備室」と書かれている。
そう、噂の部屋だ。


「まさか・・・・。」

僕は疑っていた。
あの女の子はアホだ。と。

しかし、今僕の耳には確かにしゃりしゃりと何かを洗う音が聞こえる。





「あ、あずき洗い・・・・。」




僕の身体に戦慄が走った。
どうしよう。
よし、髪の毛針だ!
でない!
当たり前だ!


頭の中では甲高い声が「髪の毛針じゃ!」と響いているにもかかわらず、
当然、僕にはまだ使えませんでした。



いや、ちょっと待てよ。

そうだ。もしかしたら不審者かもしれない・・・。

これはマズいぞ。


泥棒かもしれない。
下手すりゃ中学生を狙うド変態ロリコンレイパーかもしれない。

僕の頭のなかで、あの彼女が目に涙を溜め
「助けて・・。」
と見つめる姿が思い浮かびました。


よし。
行くか。


僕は近くにあったホウキを手に取り、準備室の中へ。







しゃーりしゃーりしゃーりしゃーり






居た。






部屋の中にはうずくまり何かを洗っている上半身裸のナニカ。


あずき洗いは気づいていない。
このまま後ろから・・・・

そうホウキを握りしめた瞬間!



「何やってんだー!お前はー!」


大声をあげ部屋に入って来たのはさきほどの先生。


「お前このやろう!」

先生は僕のホウキを取り上げ、僕を突き飛ばします。



キョトンとする僕。
そしてあずき洗い。





ではなく、そこに居たのは岩井だった。






「どういうことだ。説明しろ。」

先生は僕を激しく掴み問いただします。

「さっぱり分からない。」
僕はそう答えました。

しかし、一番状況が読み込めていないのはあずき洗いもとい岩井のようでした。
呆然と上半身裸でたわしを持って突っ立っています。



たわし?














「つまり、岩井は自分で汚れたYシャツを洗ってたんだな。そのたわしで。」
「はい。」
「で、お前は岩井をあずき洗いだと思ってホウキを持ってたんだな。」
「はい。」
「岩井、親御さんからいつも濡れて帰って来るって言われたぞ。自分で洗ってたんだな。」
「はい。」
「お前たちはバカだ。」
「はい。」



岩井は実は美術部で、毎日毎日絵の具でYシャツを汚してしまい、怒られるのは嫌だったので自分で部活が終わるとYシャツをたわしで洗っていたそうだ。

「岩井、正直に言えよ。いじめられてないのか?」
「はい。」
「先生、てっきりいじめかと思ったぞ。岩井がこいつにいじめられてると思ってた。」
「いやいや、僕たち友達ですよ。だよな、岩井。」
「え・・・うん。」
「カナブン着けて遊ばれてるってみんな言ってたぞ。」
「あ、あれは。僕も面白かった。」

確かに岩井、オレがカナブンつけた時ケラケラ笑ってたな。あんな岩井初めて見たよ。

「そうか、いや悪かった!でも岩井、こんなトコでそんなコトするな。家帰ってお母さんにやってもらいなさい。」
「はい。」
「じゃ、気をつけて帰りなさい。」
「はい。さようなら。」



僕の誤解も解け、あずき洗いの正体も分かったところで僕らは家に帰ることにした。



「あのさ。」

岩井が帰り道僕に話しかけた。

「ありがとね。」

「え?何が?」
「いや、その友達って・・・言ってくれて。」
「え?友達だろ?・・・だよな。」
「うん!」


あずき洗いはニコっと笑い僕に手を振った。

「あ、一つ聞きたいんだけどさ。」
「うん、なんだよ。」
「ジュンくん、なんで仲のいい友達に必ずカナブン付けてるの?他の友達にもやってたよね?」
「え?なんでかな。面白くない?」
「あんまりww」
「そう。」
「でも嬉しかった。友達だと思ってくれてるのかなって。」
「変なの。カナブン付けられて喜んでるなんて。」
「確かにww」

そう言うと岩井は家の中へ入っていった。







「最近、あずき洗いでなくなったの。本当に退治してくれたんだね。」

例の女の子は僕にそう言ってきた。

「わ!シャツ土で汚れてるよ!どうしたの?」
「あ、虫取りしてて。」
「え?なんで?」
「まあいいじゃん。あずき洗いでなくなったって?」
「あ、うん!そうあれから見てないよ!本当すごい!ありがとう!」
「え?うん。まあね。」
「すごいね!ありがとう!どうやってやったの?!」
「友達になったの。」
「え??」
「友達だよ。あ、コンクールどうだったの?」
「うーん、ダメだった。あの変な虫の絵が入賞したよ。ほら、あれ。」


壁に飾ってあったのは、大きなカナブンの絵だった。

「やるじゃん、あずき洗い。」


僕はYシャツの土をパッと手で払い、手に持ったカナブンをあずき洗いの下駄箱へ入れたのでした。
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「あずき洗いが出たの!」www

昨夜は現役高校三年生に「裸Yシャツの素晴らしさ」そして「卒業しても学ランは捨てるな!女の子に着せて楽しめるからな!!」と話してただけにタイムリーな記事でした☆ミ

学ランの女子って最高だぜ(ゲス顔)

ていうか、なんで着替えなかったんだろねw
汚れてもいい服によ(^O^)/

No title

学ランもYシャツも、着るときはやっぱ下は裸なんでしょうかね

息子が中学の時…ワイシャツに血つけて帰ってきた時はビビった((((;゚Д゚)))))))

面白い!
そして、その女の子かわいいですね(*´꒳`*)

あずき洗い って!!本気で怖がってるあたりがかわいい!

No title

なんかいい話(*´ ω `*)
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