キラービー

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世界最強の虫を決めるとしよう。
間違いなく僕はスズメバチを推薦する。


スズメバチ、特に日本のオオスズメバチは虫の中でも特に凶暴かつ強い虫として有名だ。
とある海外の森で、その国原産のハチが猛威をふるい人間にすら被害を与えていたので、日本からオオスズメバチを数匹輸入し放ったところ、
たちまちそのハチを駆逐しつくしてしまい、逆にオオスズメバチの脅威に晒されることになってしまったという逸話がある。
その強さゆえ、天敵など存在しないそうだ。



僕はゴキブリもでかい蜘蛛も爬虫類もムカデも全然平気だが、どうもこのハチだけはダメだ。
何より怖い。ゴキブリや蜘蛛はキモいだけで我慢すればどうにかなるのだが、ハチは刺されれば最悪死ぬ。


実際に、それらのハチが持っている毒は自然界の中でも高い毒性がある。もちろん、他の昆虫も毒を持っているものもいるが、それらが存在するはジャングルの奥深く、砂漠の真ん中など普段私たちの日常生活では出会うことはないだろう。

しかし、このハチは身近に存在する。それが更に厄介なのだ。



「おい、ジュン!煙だ!煙たけ!」


それはとある夏。
僕の尊敬するワイルドオールドマンこと、僕の実のじーちゃんに電話で呼ばれた。
「蜂の巣が作られた。駆除するから手伝え。」と。

このじーちゃん。どこまで本当か知らないがその昔山梨で熊に襲われた際に、松明とナタで戦い勝った。
30頭ものオオカミに囲まれた時、愛犬のケンとともに戦った。その後ケンは秋田犬ながらオオカミのボスとなった。火星人の襲来を竹の棒で防ぎ、アメリカ大統領から感謝状を貰った。定年後、日産の社長におしるこを奢った事があるなど、我が一族では伝説の存在なのだ。



とはいえ、今では年金暮らしの老人。
ハチの巣といえど、ちょろっとしたものができてしまい困ってるのだろう。年齢も年齢だし。
そう思って手伝ってやるか、と思いじーちゃんの家に向かう。


「きたぞー。」

僕がじーちゃんの家に入り、どれよと見せてもらうと


「あれや。」

じいちゃんが指さした所に有ったのは大きさおよそゴルフボール程度。




ゴルフボール程度のオオスズメバチ。
デカイ。


「で、巣があれや。」

再び、じーちゃんの指差したところを見ると、
そこにあるのは、スイカ3個分ほどのデカイ巣。1歳児の子供ぐらいのデカさだ。

さすがにこの大きさだと、それこそ業者でもヤバイクラスじゃないか・・・?
というよりなぜこんなになるまでほっといたんだ。


「美味い蜂蜜でも取れるかな、と思って育てとったらな。なんか様子が違かったの。」

そもそもスズメバチって蜂蜜とれるのか分かりませんが、とにかく素人目に見てもヤバイ。避難勧告レベル。

「じーちゃん、これ、それこそ役所に言ってどうにかしないと、2,3人死ぬよ。」
「この辺老人多いモンな。ちょっと電話してくるわ。」

そう言うと、じーちゃんはあちこち電話し始めました。

こういう時は役所に連絡すると、役所が業者を呼んでくれる事を知っていた僕は、じーちゃんにそう促した。


電話を終え、帰って来たじーちゃんは

「よし、近所の奴らに電話して窓閉めるように言ったわ。ほら、これ。」

と、孫(いとこ)が使っていたであろうファンシーなおもちゃみたいなバトミントンのラケットを投げてよこした。


「なにこれ?」

恐る恐る僕が聞くと

「バシっと叩くんだ。」
と期待通りの回答でした。



巣の近くを見ると、おそらくこのジジイと戦ったのであろう、数匹の前衛の戦闘隊のハチたちが息絶えていました。


しかし、怖いもの無しのこのじーちゃんでもさすがにこのハチに刺されては命が危ない。
僕は止めるように言いました。さすがに素人じゃヤバイと。

するとじーちゃん

「分かった。ハチは黒いものを襲うという。目や髪は守るべきだな。」
と、一体何が「分かった。」のかさっぱり分からない回答でした。


完全に戦闘モードとなったじーちゃんは押し入れからバイクのフルフェイスのヘルメットを持ってきて

「これでいいだろう。」

と言いました。



ランニングと短パン姿で。


頭大丈夫?と僕が尋ねると
「大丈夫だべ。」とフルフェイスをカンカン叩きながら答えました。そう言うことじゃなくて。



もうこうなるとじーちゃんは止められませんので、僕はいざという時の為にムヒとキンチョール。そして救急車を呼ぶ為に携帯を握りしめ、ハチの巣へ向かいます。




「さて、いくか。」

じーちゃんは僕にそう言うとフルフェイスをかぶり、

「よっこらしょっと」
と言いながらもそっと蜂の巣をおもむろにつかみ、

「重たいな。」
とつぶやきながら、ブチっとひきはがしました。


当然唐突に家を奪われたハチたちは、すごい勢いで巣からでてきます。

「じーちゃん!」
僕がそう叫ぶとじーちゃんは

「煙だ!煙たけ!」
と言いますが、そんな準備はしてない。

とりあえずキンチョールでじーちゃんもろともスプレーしますが、
余計にハチを怒らせるばかりでみるみるじーちゃんはハチたちに包まれて行きました。

「もうダメだ。」

僕はそうつぶやくと救急車を呼ぶことにしました。





駆け付けた救急隊員。そして、ハチの巣駆除のプロ。役所の職員は驚愕したという。
2ヶ所刺された老人。命に別条はまったくなく焼酎で刺されたところを拭いていた。
そして、見事に切り離された蜂の巣。ゴミ袋の中に入れられ、水を入れられた事で全滅。
蜂の巣駆除のプロ曰く「私たちでも戸惑う大きさ。」だという。

一応病院で解毒するらしいので、じーちゃんは病院へ。
高齢ということもあり、念の為1泊入院する事になりました。




僕も一緒に行ったのですが、検査の結果驚愕の事実が分かりました。

医者が言うには「驚くべき身体だ。例えるなら昆虫の中のオオスズメバチのようだ。」と。



「俺も衰えた。歳は取りたくないもんだ。」
そういうじーちゃんを見ながら僕はもしどこかの国を絶滅させたいなら、じーちゃんを数人輸入すればいいとか思いました。


昆虫界最強のオオスズメバチ、唯一の天敵はウチのじーちゃんのようです。







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コメント

おじいちゃんすごいですねww

前にお客さんにスズメバチを漬けた焼酎をいただきまして。
どうしたらいいのか分からないのでネットでいろいろ調べたら、「美肌のために顔に塗る人もいる」とか。
美肌は魅力的だけど、なんだか怖くてできなかったけど。。
結局 人にあげちゃいました。
あの焼酎美味しかったのかなぁ。

最強じいちゃん!

きっと夜も強いんでしょうね!(☆ч★)ウッヒョー

No title

ジュンさん、覚醒遺伝しなかったんだね。残念。

No title

おじいちゃん・・・かっこいい。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。
私なら死んでたね・・・

火星人の話を詳しく聞きたいですヽ(´Д`;)ノ

ジーサン、すげーな(笑)
この血筋だからこそのジュン氏と納得。

ところで。

みかんさん、スズメバチ入り蜂蜜も売ってますよ。
生きたまま漬けこむと、エキスが出て旨くなるそーな。
スズメバチ焼酎、勿体無いでしたね。虫刺されに効いたかも、ジュン氏ジーサンの様に(笑)
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