消火器泥棒シゲじいさん。

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登場人物
ジュン 小学生
よし坊 友達 小学生
女の子 リーダー格 小学生
シゲ爺さん よし坊の祖父 じじい


かなりまえの話です。
オレの友人に吉井くん、一応プライバシーの問題があるので以下よし坊と呼びます。
そのよし坊の家に遊びに言ったわけですよ。

まあ、そのよし坊の家はお世辞にも裕福とは言えず、古い平屋におじいさん、ご両親、よし坊と弟で住んでいました。

貧乏なものですからゲームなどは一切ありませんでしたが、ご両親も人柄がよく精一杯に僕らに手作りのお菓子やらお茶やらを出してくれました。
また、しわっしわのおじいさん、そうシゲじいさんと僕らは呼んでいました。
シゲじいさんは草で笛を作ったり笹で風車を作ったり割り箸と輪ゴムで鉄砲を作ったりといろいろ僕らに遊びを教えてくれました。


ある日もまた、よし坊の家に遊びに行きました。
すると、シゲじいさんとよし坊は裏庭で何かをしていました。
「竹馬を作ってやるぞ!こっちへ来い!」
とねじりハチマキをしたシゲじいさんが大きなナタを振り下ろし竹を切ってます。
「おい、物置から紐を取ってきてくれ」じいさんはオレにこういいました。

物置にはいった僕は見てしまったのです。
たくさんの消火器を。

幼い僕はきっとシゲ爺さんは消防士だったんだ、と考え気にもしませんでした。
あのうわさを聞くまでは。

最近、近所の消火器がごっそりなくなっている。
そんな噂が流行りだしたのです。
噂というのは怖いもので、どんどん広がり誰かがシゲじいさんが消火器を運んでいるのを見たとでもいったのでしょう。シゲじいさんが盗んでいるという噂もどんどん広がっていました。

実際、シゲじいさんの物置で大量の消火器を見た僕ですが、遊んでくれるシゲじいさんを悪く言われるのがいやで、目には目を、噂には噂をと思い、
昔、消火器の下敷きになって死んだ爺さんの亡霊が夜な夜な消火器を集めている。という噂をこっそり流しました。
今考えると、なーに言ってんだこいつはといいたくなりますが流石小学生、そんな噂もどんどん広がり、学校内でシゲじいさん説 9割対消火器ジジい説 1割程度まで流行りました。

しかし、小学校によくある、帰りの会の今日の困ったことコーナーいう名の完全女子優勢の魔女裁判で「バカな噂を言うのは止めてください。消火器ジジいなんかいません」とクラスの中の中心的な女子に訴えられ消火器ジジイ説は異教となり、禁止されてしまいました。

あげくの果てにはオレの消火器ジジイ説とシゲじいさん説が混ざってしまい消火器ジジイはシゲじいさんというなんとも残酷な噂すら生まれてしまいました。

それからというもの、シゲじいさんの家、つまりよし坊の家の周りに「不審者注意!」の看板やポスターが乱立し、しかもその不審者の絵よぼよぼのじいさんでどことなくシゲじいさんに似ているという露骨さ。
よし坊もいじめられ始め、和気あいあいとしていたあの家庭が崩壊しかけてました。


そんなある日、大事件が起きました。
悪がきが5~6人、近所のくさっぱらで遊んでいました。その中にあの魔女裁判の女子も居ました。
家から持ってきたライターでいろんなものを燃やして遊んでいました。
すると、きっと火の不始末が原因でしょう。枯れ草に燃え移ってしまい結構な大騒ぎに。
大人に見つかっては怒られると思ったのか、大人が全く、通らないようなところでやっていたためにそこには子供しか居ません。
まだ小さい子供ですから、どうしていいかわからず皆泣きじゃくってました。


そこへ、なんとあのシゲじいさんが通ったのです。
火事に気づいたシゲじいさんが大急ぎでこっちへ来て子供たちをシワシワの腕で抱きかかえ、何往復も火の中を走りぬけ、全員を避難させました。
そこで、やっと大人たちが騒ぎを聞きつけやってきたのかどんどん集まってきて火を消そうとしました。
しかし、例の事件のせいであたりに消火器はなく皆困ってしまいました。

「火には水と昔から決まっているんだ!!」
シゲじいさんは突然叫び、近くにあったバケツに農業用のため池から水を汲んできて火を消しました。
大人たちも協力し、何とか火を消しました。


そんな火事があったからか、消火器がないことの重大さが考えられ、
消火器窃盗の容疑でシゲじいさん宅が家宅捜査され消火器がごっそり見つかってしまいました。
それを見ていた僕はシゲじいさんが逮捕されると思い泣きそうになっていると
あの女子がシゲじいさんのもとを泣きながらたずねてきました。
「…火遊びしてゴメンなさい。おじいさん、助けてくれてありがと。。」
「もういいよ、これからはあんなことするんじゃないぞ!」とシゲじいさんは答えました。

「あのね、おまわりさん。おじいさんは消火器は盗んでないよ!
消火器ジジイから取り戻してくれたんだよ!…だから捕まえないで。。」とおお泣きしながら警官に言います。

「そうか。分かった。」と警官はおじいさんやよし坊の両親にボソボソっと何かいい帰ってしまいました。

結局、シゲじいさんも捕まらず、消火器もシゲじいさん自らあったところへ全部返していました。

その近くには「不審者注意」の看板は消え代わりに
「火の用心!」の文字と一緒に火の怪物をよぼよぼの爺さんの消防士が水をかけている看板が立ちました。

そのよぼよぼの消防士はどことなくシゲじいさんに似ていました。
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コメント

プライバシー保護は大切ですよね。

泣いたー

ほんと泣いた。

じいちゃん、ばあちゃんものはまいっちゃうな。

トイレの神様なんて号泣。
トイレのCMに使わないでよ!わかるけどさ…

よし坊、いいヤツになってるだろな。

これ、すき~。

何故消化器をコレクションしてたんだろ。。
まぁ、めでたしめでたしで終わって良かったばぃ

『ほわっ』と心が温かくなりました!小学生向けの短編小説に載りそう!

いいジイさん。わるいジイさん。

そういえばオレも小学生のとき思い出のジイさんがいる。その名も当り屋ジイさん。そう、わざと車とかにぶつかってお金ふんだくってた。いつもわざと当たるとイタイ、イタイって叫んで相手がビビッてお金渡して去った後はふつうにチャリ乗って猛ダッシュしてた。ある日学校の帰りに救急車とパトカーが・・そこにはあの当り屋ジイさんが寝っころがってた。本当にイタイ!イタイって。失敗したんだと思った。

なんて いい話(;o;)
なんかすげぇ
オチでもあるのかと
思いましたけど
めっちゃいい話゜+。

今日レイクタウン来ましたか?

なんで男という生物はくだらない物を収集する癖があるのだろう…

結局なんで消火器を集めてたんですかね

イイハナシダナ-(;∀;`)

いいはなし(T-T)

や、ほんと何故集めてたんですかね(笑)

魔女裁判、おもしろい
使わせていただきますw←
 

良い話だな~(ノД`) ラストのオチに感動した

ええ話や!!

めでたしめでたしですね~♪
昔ってのんびりしてていいなあ!
みんなあったかいですー。

あっ、ほんとにシゲじいさんが犯人だったんだ(笑)

泣けるじゃんかよ…

魔女子さんは、今どんな人になってるんですかねぇ。
女優顔負け?

いや待て シゲじぃよ

それはシゲじいの四次元物置。100人乗っても大丈V

答えがタイトルなんですね!

私の近所にも猫除けの?ペットボトルを集めてるジイさんがいました…

なぜ消火器を!
それもオトコのロマンなのか?
ジュンさんのじいさん話大好きです☆

いい話だ…が!
シゲじいさんは大量の消火器をどうするつもりだったのか…?
水で消す派だったから消火器隠してたんかねぇ…?

私が小学校の頃、コージってやつが学校のリモコンというリモコンを盗み出しました。
シゲじいさんといい、収集癖なんですかね?それも違うか(笑)

Re: タイトルなし

> 私が小学校の頃、コージってやつが学校のリモコンというリモコンを盗み出しました。
> シゲじいさんといい、収集癖なんですかね?それも違うか(笑)
男って妙な収集癖があるよね。

ACのCMに採用!
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